5月19日から原子力空母艦載機のFCLP
FCLPの実施などに関する岩国市の5月16日付け「報道通知」の一部
岩国基地に並ぶ電子戦機EA-18Gグラウラー。第141電子攻撃飛行隊(VAQ-141)所属のジョージ・ワシントン艦載機だ(25.3.23 星野 撮影)
モデックスナンバー「500」のEA-18G。VAQ-141所属の機体だ(25.3.23 星野 撮影)
こちらはモデックスナンバー「506」のグラウラー。こちらもVAQ-141所属の原子力空母ジョージ・ワシントン艦載機だ(25.3.23 星野 撮影)
岩国基地には海兵隊機と海軍機のF35戦闘機が多数配備されている(25.3.23 星野 撮影)
岩国基地に配備されている、原子力空母ジョージ・ワシントン艦載機の空母艦載機着陸訓練(FCLP:Field Carrier Landing Practice)が5月19日から31日までの予定で実施されることが発表された。
FCLP実施の情報が公開されるとすぐにリムピース編集部に連絡をくださったのは、岩国基地の監視を続ける戸村良人さんだ。
FCLPは、横須賀基地での空母の定期修理が終了し、任務航海に出る前に、艦載機のパイロットが行わなければならない訓練だ。
つまり、FCLPが行われるということは、空母の任務航海に向けた出港が近いということだ。
横須賀の空母が原子力空母とされてからは、定期修理が終了する時期に約束違反の放射性廃棄物の搬出を行った後、10日程度すると数日間の試験航海に出て、いったん戻ってきてから程なくして任務航海に出発する、というのがほぼ通例のパターンだった。
2018年のように放射性廃棄物の搬出から原子力空母ロナルド・レーガンの試験航海出発まで2週間以上かかったこともありはしたのだが。
しかし、今年は4月17日に約束違反の放射性廃棄物が行われてから既に1ヶ月が経過しているが、まだ、原子力空母ジョージ・ワシントンは試験航海に出ていなかった。
異例のことだ。
何かあったのだろうか。
原子力空母の側に何か要因があったのか、それとも、空母艦載機の戦闘機の方にFCLPを実施できない要因があったのかはまだ不明だが、どちらかの側、あるいは両方に何らかのトラブルがあった可能性を否定できない。気になるところだ。
ところで、5月16日に岩国市が発表したFCLP実施にかんする「報道通知」には、「訓練機種:空母ジョージ・ワシントン艦載固定翼機全機種(F35−C、FA−18E、FA−18F、EA−18G及びE−2D)」と、F-35Cがジョージ・ワシントン艦載固定翼全機種の先頭に書かれている。
2024年の夏まではジョージ・ワシントンの艦載戦闘機(戦闘攻撃機)はすべてFA-18だったのだが、11月にF-35Cを運用する第147戦闘攻撃飛行隊(VFA-147)が新たに第115戦闘攻撃飛行隊(VFA-115)に代わって岩国基地に配備されたことを示している。
なお、岩国市の「報道通知」には、空母着艦資格訓練(CQ: Carrier Qualifications)については「実施期間や実施場所については、米側から情報を入手できていない」という防衛省中国四国防衛局の回答が記されている。
CQは、FCLP終了後10日以内に、艦載機パイロットに空母への着艦資格を取得させるために洋上に浮かぶ空母で行われる訓練だ。
FCLPを5月31日までの予定で行うとされていることを考えると、6月前半にはCQが行われることになるはずだ。
CQが行われる時には、訓練の「現場」となる原子力空母は既に任務航海に入っていることになるだろう。
とすると、原子力空母ジョージ・ワシントンは、間もなく、5月後半に任務航海に出港し、横須賀に一旦戻ってきたあと、5月末か6月初めに本格的な任務航海に向けて出港するということにとなるのではないか。
(RIMPEACE編集部 星野 潔)
5月16日、横須賀基地の12号バースに停泊中の原子力空母ジョージ・ワシントン。おそらく近日中には試験航海に出るはずだ(25.5.16 非核市民宣言運動・ヨコスカ 撮影)
2025-5-17|HOME|